リオンは医薬品業界・半導体業界等の品質管理・清浄度管理のパートナーとして50年以上にわたりパーティクルカウンタをお届けしてまいりました。日本にはじめてパーティクルカウンタを紹介するところから始まり、現在では世界各国のお客様に当社製品をご愛用いただいています。リオンのパーティクルカウンタの発展に深く関わってきた半導体産業伸長の歴史と絡め、これまでの道のりをご紹介します。
気中パーティクルカウンタの輸入販売を開始
1971年12月に開催された米国商務省主催の公害防止に係る技術セミナーと展示会において、公害分野で活躍するリオンのブースに米国の商社が訪れ、気中パーティクルカウンタの販売を行わないかという依頼がありました。
リオンは、今後当社が環境衛生分野でさらに発展する上で製品ラインナップに欠かすことのできない有望な商品であると判断し、輸入販売を開始しました。
自社製パーティクルカウンタの開発に着手
より安定した品質・自社での保守サービス向上のため、リオンは自社製パーティクルカウンタの開発に踏み切りました。
リオンの初代気中パーティクルカウンタ「KC-01」を発売
リオンのパーティクルカウンタ1号機「KC-01」は最小可測粒径が0.3 μmと当時トップレベルの性能でありながら小型・安価であったため、大変好評でした。
KC-01は製薬会社等のクリーンルーム清浄度管理用などの市場で次第に売上を伸ばしていきました。
LSIの集積規模が10万個程度に
1970年頃には1,000個程度であったLSI(大規模集積回路)の集積規模(1枚の基板上の電子部品の数)は指数関数的に増加し、およそ10年ほどで10万個程度の規模にまで発展しました。LSIの採用により、コンピュータの高性能化が進みました。
リオンの半導体市場進出の第一歩となる
気中パーティクルカウンタ「KC-14」を発売
リオンが半導体関連市場に初めて送り出した製品は気中パーティクルカウンタ「KC-14」になります。
半導体製造工程における粒子管理では0.1 μmが要求されており、欧米他社製品の上市に遅れる形となりましたが、リオンも光源に従来のハロゲンランプに替えてより高性能なヘリウムネオンガスレーザを使用した「KC-14」を開発し、最小可測粒径0.11 μmを実現しました。この製品を通じてリオンの開発力が世に知られるようになりました。この時、楕円鏡を用いた光学系設計技術を確立し、着々と欧米先行他社の技術に追いつく要素技術の下地を整えていきました。
日本初の液中パーティクルカウンタ「KL-01」を発売
注射剤をはじめ、液中の粒子を計測する装置を求める声が医薬品分野から高まったことを受け、国産初の液中パーティクルカウンタ「KL-01」を開発。当時外国製の液中パーティクルカウンタは、多くのパーツをコンポーネント化した大がかりで大変高価なものでした。「KL-01」はオールインワンで持ち運びができ、粒子検出部も交換可能であり、外国製製品の半分以下の価格で販売されました。
医薬品分野のみにとどまらず、油圧作動油や当時精密部品の洗浄液として使用されたフロンの管理機器としても広く利用され、直接顕微鏡方に代わる管理方法としての地位を築き上げました。
フッ化水素酸対応のフローセルを搭載した
液中パーティクルカウンタ「KL-21」を発売
半導体の製造工程で使用される薬液には強い腐食性があります。その一つであるフッ化水素酸(以下、フッ酸)はパーティクルカウンタ内のフローセル部(石英ガラス)を溶かしてしまうため、フッ酸を測定することのできる液中パーティクルカウンタの開発は大きな課題でした。
リオンはフッ酸に耐える世界唯一*のフローセルを協力会社と共同開発し、そのセルを搭載した液中パーティクルカウンタ「KL-21」を発売しました。
KL-21は当時の業界最小可測粒径である0.3 μmを実現したことで、興隆をきわめる日本の半導体市場を席巻し、デバイスメーカから薬液メーカ、材料メーカまで広く採用されました。
*発売当時
VLSI(超大規模集積回路)の製造本格化
素子の集積度が1,000万個を超えるVLSI(超大規模集積回路)が本格的に製造されるようになりました。
VLSIの製造においては、高清浄度化技術が重要であり、ガス、水、薬品のような材料の純度と、薄膜形成、微細加工といった工程で扱われる装置内部の発塵を防止することが重要な課題でした。
ガス用パーティクルカウンタ
「KC-90」シリーズを発売
VLSI(超大規模集積回路)の製造に欠かせない材料の中には、強い毒性や腐食性を持ち、空気に触れると発火するなど、取り扱いが難しい性質を持つガスが多くあります。
リオンではこのような危険性の高い半導体用材料ガスに対応したガス用パーティクルカウンタ「KC-90」シリーズを発売しました。
「KC-90」シリーズは、センサとコントローラを組み合わせたシステム型式であり、電子部品製造装置に組み込んでパーティクルの状況などを監視することができるため、製造現場での歩留まり向上や品質の確保に活躍しました。
PCの一般家庭への普及とDRAM需要の高まり
マイクロソフト社のPC用OS「Windows95」発売により、PCは一部の人のみが使用していたものから誰もが使用するものへと変化しました。マウス・プリンタなど周辺機器との接続性をはじめとしてUIが向上し、インターネット接続機能が搭載されました。Windows95の登場により、PC用のDRAMの需要は圧倒的に増加していきました。
供給ラインと接続して0.1 μmの粒子から測定可能な
液中パーティクルセンサ「KS-16」を発売
半導体の製造装置や洗浄装置内、また薬液供給系における溶剤や純水中に浮遊する粒子数の推移を常時測定できるよう、供給ラインと接続して0.1 μmの粒子から測定可能であり、従来器に比べ小型の液中パーティクルセンサ「KS-16」を発売。翌年にはフッ酸にも対応した「KS-16F」を発売しました。
注射剤中不溶性微粒子測定システム「KL-03」を発売
注射剤や輸液など、人体に直接投与される液体状の薬剤に対しては、日本薬局方や各国の同様の法律で、その中に含む粒子の大きさや個数の限度が定められています。
リオンは1996年に発行された第十三改正日本薬局方第一追補の注射剤の不溶性微粒子試験法に収載された、『光遮へい型自動微粒子測定装置による方法』に適合した製品として、注射剤中の不溶性微粒子測定システム「KL-03」を発売しました。
リオン初のLD励起固体レーザを用いた
気中パーティクルカウンタ「KC-22A」を発売
半導体産業の高集積化、微細化が進むにつれ、歩留まりに影響を及ぼす粒子はより微小になっていきます。リオンでは粒子を検出するための光源にLD(半導体レーザ)励起固体レーザ光源の技術を確立。センサの小型化をはじめ、従来採用していたヘリウムネオンレーザを光源とした際の課題を解決し、その最初の製品となる「KC-22A」を発売しました。
翌年には高容量化するハードディスクドライブ(HDD)の発塵試験に最適な「KC-22B」を発売。リオンの気中パーティクルカウンタで初めて最小可測粒径0.08 μmを実現し、より微小な粒子の検出に対応しました。
リオン初の0.1 μmから測定可能な大流量タイプ
気中パーティクルカウンタ「KC-24」を発売
HDDレコーダー・携帯音楽プレーヤー・大画面薄型テレビなどが普及する中、電子デバイス業界では品質に影響を及ぼす製造環境中の粒子の大きさや濃度の管理基準がより厳格化していきます。
クリーンルームの規格であるISO 14644-1において、最も清浄度が高いクラス1のクリーンルーム内には0.1 μmの粒子が1㎥中に10個以下と定められています。パーティクルカウンタでは室内のすべての空気を測定できるわけではないため、粒子がほとんど存在しない環境では、できるだけ多くの空気を吸引して測定することでより正確な測定が実現できます。
リオンは28.3 L/minの空気から安定的に0.1 μmの粒子を測定することが可能な「KC-24」を発売しました。
クリーンルーム管理用として半導体デバイスメーカや材料メーカに、今なお採用され続けています。
様々な電子機器の普及と半導体の高集積化・微細化
エレクトロニクス業界ではパソコンや携帯電話などが普及し、米国ではアップル社が初代「iPhone」を発売。
微細加工技術の向上により高集積化・微細化が進むにつれて、製品の歩留まりに影響を与える粒子はより微小となり、より高精度な計測ができるパーティクルカウンタが求められるようになりました。
液中パーティクルカウンタ用コントローラ
「KE-40B」と
液中パーティクルセンサ「KS-42」シリーズを発売
現在液中パーティクルカウンタとして展開する製品の多くは、粒子の検出はパーティクルセンサで行い、その動作制御や測定データの表示は接続したコントローラにて行います。
2007年に従来製品よりも利便性を向上させ、カラー液晶とタッチパネルを採用したコントローラ「KE-40B」を発売。多チャンネル波高分析機能を内蔵した液中パーティクルセンサ「KS-42」シリーズと組み合わせることで、最大10段階の粒径区分を任意に設定できるようになりました。
これ以降、KE-40B(及びその後継器種KE-40B1)を中心としたシステムがリオンの液中パーティクルカウンタのスタンダードになります。
フォトレジスト溶液中の粒子を0.1 μmから測定可能な
世界初の液中パーティクルセンサ「KS-41B」を開発
半導体製造プロセスで使用されるフォトレジスト溶液やSOG溶液の清浄度管理用として、最小可測粒径0.1 μmの液中パーティクルセンサ「KS-41B」を世界に先駆けて開発しました。半導体プロセスにおいて歩留まりに大きく作用するフォトレジスト溶液を計測できるパーティクルカウンタはリオンの製品のみとなります。
世界で初めて液体中の微粒子が生物か非生物かを
瞬時に見分ける「生物粒子計数器」を開発
微粒子計測技術を用い、生物細胞中の自家蛍光物質が発する光を検出することで、液体中の微粒子が生物か非生物かを瞬時に見分けることを可能とする「生物粒子計数器」を世界で初めて開発しました。
飲料水、医療用水などを扱う現場で従来広く行われていた細菌などを培養して確認する方法では、細菌の存在確認に3日から5日程度の日数が必要でした。「生物粒子計数器」ではリアルタイムでの監視が可能であり、水を扱う様々な分野で、細菌によるリスクの大幅な軽減に寄与することができるようになりました。
薬液中の30 nmの粒子が測定可能な
液中パーティクルセンサ
「KS-19F」を発売
半導体微細加工技術の向上により、最先端の半導体市場では、半導体工場や材料・薬液メーカの品質管理における、より微小な粒子まで計測するニーズがますます高まっています。そこでリオンは、業界初*となる薬液中の30 nmの粒子まで検出可能な液中パーティクルセンサ「KS-19F」を発売しました。
薬液中の微細な粒子を安定して測定したいというニーズに他社に先駆けて応えたことで、海外でもリオンのパーティクルカウンタが多数使用されていきます。
*発売当時
浄水場での塩素処理後のリアルタイムな測定を実現する
「ピコプランクトンカウンタ」を開発・実用化
生物粒子計数器の技術を応用し、植物プランクトンの個数をリアルタイムに測定できる「ピコプランクトンカウンタ」を開発・実用化しました。
植物プランクトンが異常発生すると、浄水場の処理工程に重大な不具合を引き起こし、異臭の発生や濁度異常などの様々な障害が発生します。
当社の「ピコプランクトンカウンタ」は従来では困難だった浄水場での塩素処理後の植物プランクトンの測定を実現し、浄水処理工程での植物プランクトン抑制に必要な薬品の注入の制御を、より効果的に行う可能性を見出しました。
高粘度試料を希釈せずに測定可能な
「高粘度試料用の液中微粒子測定システム」を発売
最先端の半導体製造現場では、高粘度KrF、厚膜レジスト、ワニス、ポリイミドなどの高粘度溶剤が使用されています。従来の高粘度試料の測定システムでは、測定可能な試料の粘度に限界があり、希釈して測定していました。
リオンは業界初*の試料を希釈することなく、原液のまま測定することが可能な「高粘度試料の液中微粒子測定システム」を発売しました。
*2019年9月当社調べ
製薬用水の常時オンラインモニタリングが可能な
生物粒子計数器「XL-M4B」を発売
医薬品工場での精製水、注射用水の品質管理では従来培養法による検査が主流でした。しかし、微生物由来の汚染が発生した場合に対応が遅れるリスクがあります。2016年に第十七改正日本薬局方の参考情報に「微生物迅速試験法」が掲載されて以降、迅速測定への注目が高まりました。
リオンは、常時モニタリングを実施することで微生物汚染の早期発見を実現可能にする生物粒子計数器「XL-M4B」を発売しました。
薬液中の20 nmの粒子が測定可能な
液中パーティクルセンサ
「KS-20F」を発売
最先端の半導体製造工程の品質管理において、30 nmよりもさらに微小な粒子を測定するニーズが高まっていることをうけ、リオンは薬液中の20 nm粒子まで測定可能な液中パーティクルセンサ「KS-20F」を発売しました。
日本のみならず海外においても多くのお客様にご使用いただいています。