液中パーティクルカウンタの主な使用分野
液中パーティクルカウンタは、半導体用高純度化学薬品やフォトレジストなどの液体塗布材料中に含まれる粒子管理や、超純水、洗浄用化学薬品(例:酸、アルカリ、有機溶剤、フッ化水素酸)などの洗浄工程に関わる粒子管理に用いられます。
また、CMP(chemical mechanical polishing)用のスラリー中の粗大粒子の管理や、表面付着粒子の管理など、生産ライン内や受け入れ時の検査などにも用いられます。
薬液管理
エレクトロニクス産業(電子デバイス産業)において、薬液は洗浄をはじめ、酸化膜の除去やフォトレジストの剥離などに使用されます。特に、半導体、ハードディスク(HDD)、およびフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に代表される分野では、純水や薬液を多く使用します。
電子デバイスの微細化・高集積化により液体中の粒子管理は、品質や歩留りの向上のため欠かせないものとなっています。半導体製造ではその配線幅が10 nmを下回るに至り、HDD製造ではヘッドとメディアのクリアランスも10 nmを切るまでに至っています。FPDにおいてはテレビ、モニタなどの大画面化と高画質化が求められ、3 m角の大型ガラス基板上に画素の欠陥の存在は許されません。このように微細加工技術が向上し、より高性能な電子デバイスを製造するには、その周辺の粒子管理が重要であり、液中パーティクルカウンタはその測定器として重要な地位を占めています。
洗浄工程の評価・管理
半導体製造においてはウェハに付着した微粒子は洗浄工程で取り除きます。また、発塵を抑えなければならない製品においては、構成する部品自体の発塵が製品の品質、性能に大きく影響を及ぼすため、個々に洗浄し、その効果を測定しなければなりません。
効率よく確実な洗浄を行うためには使用前の洗浄液の粒子数、洗浄液の最適供給量、洗浄槽のオーバーフロー量、最適な洗浄時間、リサイクルした洗浄液の清浄度の確認など様々な要素に対して管理を行う必要があります。
これらの要素とスループットや歩留りなどの関係を明らかにし、問題点を解決する手段として液中パーティクルカウンタによる粒子計測が有効です。特に洗浄槽の供給・循環ラインにパーティクルカウンタを直結し、連続的にモニタリングすることで洗浄槽内や洗浄ラインの粒子数の変動を読み取り、生産ラインの改善を科学的に行うことができます。
液中パーティクルカウンタに関する規格
「光散乱式液中パーティクルカウンタ」(抜粋)
ISO 21501-2:2019 Light Scattering Liquid Borne Particle Counter
JIS B 9925:2010 光散乱式液中粒子計数器 — 校正方法及び検証方法
- 偽計数
- 本来、試料中に粒子がないのに計測するという現象。電気的または光学的なノイズやセンサ内部の残留粒子が原因で生じる。1リットル当たり何個の偽計数が発生するかを製造業者が開示する。
- 計数効率
- ある粒径およびその個数が既知である粒子をパーティクルカウンタに導入したときパーティクルカウンタが計数する割合。最小可測粒径において20~80%、最小可測粒径の1.5~3倍の粒径において70~130%。
- 最大粒子個数濃度
- パーティクルカウンタは粒子濃度が低濃度の場合比較的有効であるが、高濃度の場合は複数個の粒子が光ビームに同時に存在する確率が高くなる。この場合、粒子を1個として検出するため、実際の粒子数よりも少なく表示される。これを同時通過損失といい、最大粒子個数濃度における同時通過損失は10%以下でなければならない。
- 校正周期
- 1年以内
「光遮蔽式液中パーティクルカウンタ」(抜粋)
ISO 21501-3 Light Extinction Liquid Borne Particle Counter
JIS B 9916 光遮へい式液中粒子計数器 — 校正方法及び検証方法
- 計数効率
- ある粒径およびその個数が既知である粒子をパーティクルカウンタに導入したときパーティクルカウンタが計数する割合。最小可測粒径の1.5~2倍の粒径において80~120%。
- 粒径分解能
- 大きさが近接した粒子をどの程度識別できるかを表す。 計数参照標準溶液に含まれる粒子の粒径と測定された粒径の誤差が10%以内でなければならない。
- 試料容量
- 測定に要した試料の容積。設定した容量に対し、誤差は±5%以内でなければならない。
- 最大粒子個数濃度
- パーティクルカウンタは粒子濃度が低濃度の場合比較的有効であるが、高濃度の場合は複数個の粒子が光ビームに同時に存在する確率が高くなる。この場合、粒子を1個として検出するため、実際の粒子数よりも少なく表示される。これを同時通過損失といい、最大粒子個数濃度における同時通過損失は10%以下でなければならない。
- 校正周期
- 1年以内
- 液中パーティクルカウンタの測定例
- 洗浄槽の連続モニタリング 部品の付着粒子測定
適用例
| 用途 | 対象試料 | 対応器種 |
|---|---|---|
| ウェットプロセス | 酸(HFを含む)、アルカリ、有機溶剤、純水など | KS-19F、KS-18F/18FX、KS-17B、KS-42A/42AF、KS-16/16F、KS-28B/28BF |
| プラント | 薬液 | KS-19F、KS-28B、KS-16/16F |
| 純水 | KL-30A/30AX、KL-30B、KS-17B | |
| 成膜 | 絶縁膜材料、成膜塗布剤など | KS-42A、KS-42B |
| メッキ | 硫酸銅など | KS-42B、KS-42C、KS-42D |
| リソグラフィ | レジスト、現像液、反射防止剤など | KS-42B、KS-41A、KS-41B |
| 部品発塵試験 | 純水、IPA | KS-42C |
| 注射剤、洗浄度 | 注射剤、注射用水、輸液、ゴム栓など | KL-05 |
液中パーティクルカウンタのシステム例
測定には、製造ラインにセンサを組み込んで測定を行うインライン測定と、サンプルを採取して測定を行うバッチ測定(オフライン測定)があります。